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脳梗塞の基礎知識

脳梗塞の基礎知識

更新日:2024年12月5日
発信者:社会医療法人ペガサス 馬場記念病院
監修者:魏 秀復(脳神経外科・副院長)

脳梗塞は、突然発症し、命に関わる可能性がある疾患です。しかし、迅速で適切な治療を受けることで、多くの患者さまが回復を目指すことができます。本記事では、脳梗塞の基本的な特徴から治療法、リスク管理までを、医療としてのCURE(診断と治療)に焦点を当てて解説します。早期発見と適切な対応が、患者さまの回復の鍵となります。

目次

脳梗塞とは何か

脳梗塞は、脳の血管が詰まり、血液が届かなくなることで脳細胞が損傷を受ける疾患です。迅速な診断と治療が重要です。

<主な症状>

  • 片側の手足や顔の麻痺やしびれ:突然、体の片側に力が入らなくなったり、感覚が鈍くなることがあります。
  • 言語障害:言葉が出にくくなったり、他人の話を理解しづらくなることがあります。
  • 視覚障害:片方の目が見えなくなったり、視野の一部が欠けることがあります。
  • めまいやふらつき:平衡感覚が失われ、歩行が困難になることがあります。
  • 意識障害:重症の場合、意識がもうろうとしたり、昏睡状態になることがあります。

ご家族が笑顔を作ろうとしたときに顔の片側が下がっている場合や、言葉がうまく話せない場合は脳梗塞を疑い、速やかに医療機関に連絡してください。

原因とリスク因子

脳梗塞は、以下の要因によって引き起こされます。

  • 動脈硬化:高血圧や高コレステロールにより、血管内壁にプラークが形成され、血流が阻害されます
  • 心房細動:不整脈の一種で、心臓内に血栓が形成され、それが脳に運ばれて血管を詰まらせます。
  • 生活習慣:喫煙、過度の飲酒、運動不足、肥満などがリスクを高めます。

治療法:早期発見と治療の重要性

脳梗塞の治療は、いかに早く血流を回復させるかがポイントです。発症後の数時間が回復の可能性を大きく左右します。

<tPA療法(血栓溶解療法>  

  • 発症後4.5時間以内に、血栓を溶かす薬を投与する治療法です
  • 血流を迅速に回復させ、脳の損傷を最小限に抑えます。

「FAST」法で脳梗塞のサインを確認したら、救急車を呼び、できるだけ早く医療機関で治療を受けることが大切です。

<血管内治療>

  • 血管内にカテーテルを挿入し、血栓を直接除去する治療法です。
  • 重度の脳梗塞患者さまに適用されることが多いです。

<保存的治療>

  • 血圧管理や脳の腫れを抑える治療を行い、さらに再発を予防します。
  • 医師が個別の状況に合わせて治療プランを作成します。

リスク管理:再発予防を含めた治療

脳梗塞の再発を防ぐには、生活習慣の改善と適切な薬物療法が不可欠です。

<予防的治療>  

  • 血圧を安定させる薬や血液をさらさらにする薬を継続的に使用します。
  • 糖尿病やコレステロールの管理も重要です。

<日常生活での注意点> 

  • 食事:塩分を控えめにし、野菜や果物を多く摂る食生活が推奨されます。
  • 運動:ウォーキングなどの軽い運動を取り入れ、血流を促進します。
  • 禁煙:喫煙は血管を傷つけるため、完全に避ける必要があります。

まとめ

脳梗塞は突然発症し、時間との勝負になる疾患です。しかし、適切な診断と治療を受けることで、多くの患者さまが回復を目指すことが可能です。特に、発症初期の迅速な治療が鍵となります。治療後は医師と相談しながら、再発予防のための治療計画を立てることが重要です。早期の行動と医療機関との連携を通じて、安心して治療を受けていただけるよう願っています。

監修者プロフィール

魏 秀復

脳神経外科・副院長

●職種・資格
医学博士
日本脳神経外科学会 指導医
近畿脳神経外科学会 評議員
日本脳卒中学会 指導医
日本脊髄外科学会 認定医
脊椎脊髄外科 専門医
日本脳血管内治療学会
日本脳神経外科コングレス

 

脳神経外科ではありますが、全例手術を行うのではなく、状態、症状に対して、確実かつ適切な治療を行います。また、外来診療のみでなく、救急でも即座に対応できるような体制をとっています。

よくある質問

脳梗塞の後遺症は、損傷を受けた脳の部位や程度によって異なります。一般的には、片側の手足や顔の麻痺、言語障害、視覚障害、認知機能の低下、嚥下障害などが挙げられます。これらの症状は、適切なリハビリテーションによって改善が期待できますが、完全に元の状態に戻ることは難しい場合もあります。

再発予防には、生活習慣の見直しが重要です。塩分や脂質を控えた食事、適度な運動、禁煙、節度ある飲酒を心がけるようにしましょう。また、これらの生活習慣の改善に加え、定期的な健康診断を受け、高血圧、糖尿病、脂質異常症などの管理を行うことが重要です。

リハビリテーションは、患者さまの状態や後遺症の程度に応じて個別に計画されます。急性期は早期離床、回復期は日常動作の訓練、維持期は生活の質向上を目指して行います。リハビリの進行には個人差があり、長期的な取り組みが必要となる場合もあります。ご家族のサポートや専門家との連携が重要です。

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