更新日:2024年12月5日
発信者:社会医療法人ペガサス 馬場記念病院
監修者:魏 秀復(脳神経外科・副院長)
脳梗塞は、発症から治療までの時間が回復に大きく影響する病気です。患者さまやご家族が治療の選択肢を正しく理解することが、最適な治療を受ける第一歩となります。本記事では、医療現場で実践される治療法をやさしく解説し、選択時の具体的な行動指針をお伝えします。
脳梗塞は、血流が途絶えて脳細胞がダメージを受ける病気です。このため、治療をいかに早く始められるかが重要です。「ゴールデンタイム」と呼ばれる発症後4.5時間以内に治療を開始することで、回復の可能性を大きく高められます。
<具体的な対応方法>
脳梗塞の治療法は、患者さまの状態や進行度に応じて選択されます。以下に代表的な治療法を紹介します。
<血栓溶解療法(tPA)>
<血管内治療>
カテーテルを用いて血管内で直接血栓を除去する治療法です。発症から6~24時間まで適応されるケースもあり、tPAが使えない場合の選択肢となります。
<具体的な対応方法>
脳梗塞の治療には、CTやMRI検査が不可欠です。これらの画像診断によって、脳のどの部分が影響を受けているかや、血流の状態が明確になります。
<診断の流れ>
<具体的な対応方法>
検査結果の確認:医師に検査の詳細を尋ね、どの治療法が適しているかを確認してください。
治療の希望を伝える:ご家族と相談し、治療に対する希望を共有しましょう。
スムーズな意思決定:医師と患者さま・ご家族が協力して、納得のいく治療法を選びます。
すべての治療法には適応条件とリスクがあります。例えば、tPAでは出血のリスク、血管内治療ではカテーテル挿入に伴う合併症の可能性が挙げられます。
<具体的な対応方法>
脳梗塞の治療には、「早期対応」「適切な選択」「リスク理解」が重要です。患者さまやご家族が医師と協力して治療を進めることで、回復の可能性が大きく高まります。困難な状況であっても、一つひとつ対応を進めることで、明るい未来を取り戻す第一歩を踏み出しましょう。
脳神経外科・副院長
●職種・資格
医学博士
日本脳神経外科学会 指導医
近畿脳神経外科学会 評議員
日本脳卒中学会 指導医
日本脊髄外科学会 認定医
脊椎脊髄外科 専門医
日本脳血管内治療学会
日本脳神経外科コングレス
脳神経外科ではありますが、全例手術を行うのではなく、状態、症状に対して、確実かつ適切な治療を行います。また、外来診療のみでなく、救急でも即座に対応できるような体制をとっています。
脳梗塞の治療法には、発症後4.5時間以内に血栓を溶かす薬剤を投与する「t-PA静注療法」や、カテーテルを用いて血栓を直接除去する「脳血管内治療」などがあります。これらの治療は、発症からの時間や患者さまの状態によって適用が判断されます。
脳梗塞の治療は、発症から可能な限り早く行うことが重要で、特にt-PA静注療法は発症後4.5時間以内の投与が推奨されています。早期の治療開始により、後遺症を最小限に抑える可能性が高まります。
治療後は、運動機能や言語機能の回復を目指したリハビリテーションが行われます。具体的な内容は、患者さまの症状や回復状況に応じて専門家と相談しながら進められます。
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