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体位交換ケアの基本

体位交換ケアの基本

更新日:2024年12月5日
発信者:社会医療法人ペガサス 馬場記念病院
監修者:吉田 礼子(入退院管理センター・センター長)

退院準備期における在宅療養では、体位交換が褥瘡(床ずれ)予防の基本となります。適切な方法を学ぶことで、患者さまが快適な生活を送りやすくなり、ご家族の負担も軽減されます。この記事では、体位交換の具体的な手順、注意点、道具の活用法についてわかりやすく解説します。

目次

体位交換の基本

体位交換は、長時間同じ姿勢でいる患者さまの血流を促し、皮膚や筋肉への負担を軽減するケアです。

<ポイントと具体例 >

  • 頻度:2~3時間ごとに体勢を変えるのが理想です。例えば、右向き、仰向け、左向きと交互に変えると効果的です。
  • 準備:クッションやバスタオルを用意し、体勢を変える方向に沿って配置します。
  • 手順:患者さまの体を支えながら、ゆっくり体勢を変えます。このとき、皮膚の赤みや痛みを確認してください。

体位交換を日常的に行うことで、褥瘡リスクを大幅に軽減できます。  

適切な道具の使用でケアを向上

クッションや体圧分散マットを活用することで、患者さまの体への負担を減らし、ご家族の作業も楽になります。

<ポイントと具体例>

  • クッションの活用:膝の下や背中に入れると、体重が分散されて褥瘡予防に役立ちます。
  • 体圧分散マット:全身の体圧を均等に分散する専用マットが効果的です。選ぶ際は、患者さまの状態に合わせて専門家に相談してください。

<手順>

  • クッションを患者さまのカーブに沿わせて配置し、楽な姿勢を作ります。
  • 道具の使用後は清潔を保ち、再利用時の安全性を確保します。

道具を正しく活用することで、ケアの質が向上し、患者さまも快適に過ごせます。

丁寧で安全な体位交換の実施方法

体位交換は、患者さまの体に負担をかけないよう慎重に行うことが重要です。

<ポイントと具体例>  

  • 動作の配慮:患者さまの肩や腰を支えながら、無理なく動かします。
  • 速度:ゆっくりした動作で体勢を変えることで、患者さまの不安を和らげます。 

<ポイントと具体例>  

  • 交換前に患者さまに声をかけ、何をするのか説明します。
  • 両手を使って身体を支えながら丁寧に動かし、交換後に姿勢を確認します。

丁寧なケアは、患者さまの体の負担を軽減し、安心感を与えます。

看護師や専門家の指導を活用する

専門家からの指導を受けることで、より安全で効果的な体位交換を行うことができます。

<ポイントと具体例>

  • 訪問看護師の指導:体位交換の方法を直接学び、技術向上に役立てます。
  • 相談とフィードバック:看護師に実際のケアを見てもらい、改善点を教えてもらうことで不安を軽減できます。

<手順>  

  • 専門家に直接指導を依頼し、実践的なアドバイスを受けます。
  • 疑問があれば遠慮せず質問し、納得いくまで確認してください。

専門家のサポートを活用することで、ご家族の負担を軽減し、患者さまのケアの質を向上させます。

まとめ

体位交換は、患者さまの健康と快適さを守るための重要なケアです。2~3時間ごとの体位変更を基本とし、クッションや体圧分散マットを使用することで、褥瘡リスクを減らせます。また、丁寧で安全なケアを心がけ、看護師や専門家の助言を積極的に取り入れることで、患者さまとご家族が安心して在宅療養を続けられる環境を整えましょう。

監修者プロフィール

吉田 礼子

入退院管理センター・センター長

●職種・資格
入退院支援看護師

 

入院前から患者さまが安心して医療を受けられるよう、一人ひとりの状況をしっかりと把握し、入院中はもちろん退院後も含めた一貫した支援を管理しています。院内の連携だけではなく、地域とのつながりで、切れ目のない医療を提供していきます。

よくある質問

 褥瘡(床ずれ)の予防のためには、一般的に2時間ごとの体位交換が推奨されています。しかし、使用するマットレスの種類や患者さまの皮膚の状態によっては、体位交換の間隔を延ばすことも可能です。例えば、粘弾性フォームマットレスを使用する場合、体位交換の間隔を4時間まで延ばしてもよいとされています。ただし、骨の突出部に発赤が見られる場合は、より頻繁な体位交換が必要となるため、患者さまの状態を定期的に確認し、適切な頻度で行うことが重要です。

体位交換を行う際は、まず患者さまに声をかけ、これから体位を変えることを伝えて安心していただくことが大切です。具体的な手順としては、仰向けから横向きにする場合、患者さまの両腕を胸の上で組み、両膝を立ててかかとをお尻に近づけます。その後、介助者は患者さまの腰と膝に手を置き、ゆっくりと体を横向きにします。体位交換後は、クッションや枕を適切に配置して、安定した姿勢を保つようにします。また、シーツにしわがないか確認し、皮膚の状態をチェックすることも重要です。

在宅環境で2時間ごとの体位交換が難しい場合、介護者や看護師が訪問した際におむつ交換や食事前後などのタイミングで体位交換を行うことが考えられます。また、エアマットレスや体圧分散マットレスなどの適切な寝具を使用することで、体位交換の間隔を延ばすことが可能です。さらに、骨の突出部に発赤が見られた場合は、深い褥瘡ができるリスクがあるため、体位交換の頻度を増やすことが必要です。患者さまの状態を定期的に観察し、適切な対応を心がけましょう。

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